オーク
オーク

■オークって、どんな木?



日本ではナラの木と呼ばれ「どんぐり」のなる木としてもなじみ深い、ブナ科の広葉樹。ヨーロッパでは、その樹形の美しさからKing of Forest"森の王様"と呼ばれ、神聖視されてきました。

硬いだけでなく粘りや弾力があり、加工がしやすいことから、良質な家具材や床材、船材などの材料として古くから世界中で需要があります。液体などの透過性が低く腐朽にも強いこと、また香味成分となるタンニンを多く含んでいることから、ウイスキーやワインを保存する樽の材料としても珍重されています。

力強い木目が特徴でもあるオークは、板目(いため)に取れば波線形の木目が楽しめ、柾目(まさめ)に取ると一転して穏やかで優しい木目が楽しめます。また、オーク材独特の、虎の毛のような斑点模様の木目【虎班(とらふ)】が現れるものもあり、一本の丸太で多彩な表情を見ることができます。オークは塗料の乗り具合が良く、仕上げによってさまざまな美しさのバリエーションが楽しめるのも魅力です。

■木の色の変化「経年美化」

時とともに無垢の木はその色合いが変化していきます。時を重ねるほどに増していく艶や美しい表情をお楽しみください。


■木の表情について

木は自然の営みから生まれた天然資源です。そのため木目や色合いが一つ一つ違い、塗装の色合いや質感などに差が出ることがあります。表情の豊かな木の特徴としてお楽しみください。

【木目】 オークなどの環孔材(かんこうざい)(※)は道管が年輪に沿って並んでいるので、木目がはっきりと表れやすいという特徴があります。この豊かな表情が好まれ、オークは古くから高級家具などに使われています。木目は使い込むほどに味わい深くなっていきます。
※環孔材…木が根から水を吸い上げるときの通り道となる道管が、年輪に沿って規則正しく並んでいる材。

【濃淡】 淡かったり、赤みがかっていたり、木の色合いは同じものが二つとありません。木が心材化(※)すると木に含まれる成分が変化して色が濃くなりますが、その色合いは個々の木で千差万別。板状につなぐと、目に心地よい自然な濃淡のコントラストが生まれます。
※心材化…生きた細胞が死んで堅くなり、湿気に強くなること。

【入り皮(いりかわ)】 木が成長する間には、台風が来たり鳥につつかれたりと、何かの原因で樹皮が傷つくこともあります。その場合は、樹皮のすぐ下にある形成層(※)が、傷ついた樹皮を取り込んで修復しながら成長を続けます。これが「入り皮」。木の強い生命力の証です。
※形成層…春から秋にかけて細胞分裂を行い、樹幹を大きくする組織

【虎班(とらふ)】 オーク材には幅の広い放射組織(※)があり、柾目面に銀色の班となって表れます。これを「虎班」といい、光の加減によってキラキラ光るなど見え方が変わります。オーク独特の紋様として、古くから大切にされています。
※放射組織…木が成長するのに必要な栄養分を貯蔵する部分で、繊維方向に直行した組織

【葉節(はぶし)・ピンノット】 オークやウォールナット、メープルには、直径1~2㎜ほどの小さな節が見られることがあります。これは木の幹に細く小さな枝がついて自然に枯れ落ちた跡で、「葉節」といいます。別名は「ピンノット」。人間でいえばホクロのようなもので、小さいながらも、多彩な木目に個性的な表情を添えます。